はじめに
「腕が上がらない」
「服を着替えるときに肩が痛い」
「夜、肩の痛みで目が覚める」
このような症状で受診される方の多くが、いわゆる四十肩・五十肩を疑っています。
確かによくある病気ですが、“自然に治るから放っておいていい”とは限りません。
この記事では、整形外科医の立場から
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四十肩・五十肩とは何か
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放置してよいケースと注意が必要なケース
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似た症状の別の病気
について、わかりやすく解説します。
四十肩・五十肩とは
四十肩・五十肩は正式には肩関節周囲炎と呼ばれます。
肩関節の周囲に炎症が起こり、痛みや動かしにくさが生じる状態です。
特徴として
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はっきりしたきっかけがなく始まる
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徐々に痛みが強くなる
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肩の動きが制限される
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夜間痛が出やすい
といった点が挙げられます。
自然に治るって本当?
「1年くらいで自然に治ると聞いた」
このように言われることもあります。
確かに、時間とともに痛みが軽くなる方もいます。
しかし問題なのは、痛みを避けて肩を動かさない期間が長くなることです。
その結果、
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肩関節が固まる
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可動域が戻らない
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日常生活に支障が残る
といったケースも少なくありません。
放置するとどうなる?
四十肩・五十肩を長期間放置すると、
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腕が最後まで上がらない
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背中に手が回らない
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洗髪や着替えが困難
といった状態が続くことがあります。
「痛みが落ち着いた=治った」ではないこともあるため、注意が必要です。
四十肩・五十肩と似た症状の別の病気
肩の痛みや動かしにくさは、すべてが四十肩・五十肩とは限りません。
症状がよく似た、別の病気が隠れていることもあります。
石灰性腱炎
肩の腱に石灰がたまり、
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突然強い痛みが出る
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夜も眠れないほど痛む
といった症状が出ることがあります。
レントゲン検査で診断できる病気です。
腱板損傷・腱板断裂
肩を動かすために重要な筋肉(腱板)が傷つくことで、
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肩を上げると痛い
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力が入りにくい
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動かすと引っかかる感じがする
といった症状が出ることがあります。
これらは治療方法や経過が四十肩とは異なるため、正確な診断がとても重要です。
整形外科でできること
整形外科では、
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症状の経過
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肩の動きのチェック
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必要に応じた画像検査
を行い、原因を見極めます。
治療は状態に応じて
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内服薬・外用薬
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注射治療
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リハビリ・運動療法
などを組み合わせ、無理のない方法から進めていきます。
受診の目安
次のような場合は、整形外科の受診をおすすめします。
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痛みが数週間以上続いている
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夜間痛が強い
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肩が以前より上がらなくなってきた
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「五十肩」と思っているが不安が残る
早めに診断することで、回復までの期間を短くできることがあります。
まとめ
四十肩・五十肩はよくある病気ですが、
自然に治るとは限らず、似た症状の別の病気が隠れていることもあります。
「年のせい」「そのうち治る」と我慢せず、
気になる肩の痛みがあれば、整形外科へご相談ください。
ゆうき整形外科クリニック 田中佑樹
“大府市、東海市、東浦町、知多市などから通えるクリニックです。 整形外科だけでなくリハビリ、内科、皮膚科と幅広く地域の皆さんの健康をサポートさせていただいています。”