はじめに
「急に肩が痛くなった」
「夜、眠れないほど肩が痛い」
「五十肩だと思っていたけれど、痛みが強すぎる気がする」
このような症状で受診される方の中に、石灰性腱炎という病気が見つかることがあります。
四十肩・五十肩と症状が似ているため見逃されやすいですが、経過や治療の考え方が異なる病気です。
この記事では、整形外科医の立場から
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石灰性腱炎とはどんな病気か
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四十肩との違い
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受診の目安
について、わかりやすく解説します。
石灰性腱炎とは
石灰性腱炎は、肩の腱(主に腱板)に**リン酸カルシウムの結晶(石灰)**がたまることで起こる炎症です。
特徴的なのは、
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ある日突然、強い痛みが出る
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夜間に痛みが悪化しやすい
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肩を少し動かすだけでも痛い
といった点です。
特別なケガや使いすぎがなくても起こることがあり、中高年の方に比較的多い病気です。
四十肩・五十肩との違い
石灰性腱炎は、四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)と間違われやすい病気です。
四十肩・五十肩の特徴
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徐々に痛みが出てくる
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動かしにくさが少しずつ進む
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痛みの強さは日によって変わる
石灰性腱炎の特徴
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突然、非常に強い痛みが出る
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夜も眠れないほど痛むことがある
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少し触れたり動かしたりするだけでつらい
このように、痛みの出方と強さが大きな違いです。
なぜあれほど強く痛むのか
石灰が腱の中にたまっているだけでは、症状がほとんど出ないこともあります。
しかし、体の反応によって石灰の周囲に強い炎症が起こると、急激な痛みが生じます。
この炎症が、
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安静にしていても痛い
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夜間に痛みが強くなる
といった、石灰性腱炎特有の症状につながります。
診断はどうやって行う?
石灰性腱炎は、レントゲン検査で診断できることが多い病気です。
肩の腱の部分に白く写る石灰が確認できます。
症状や診察所見とあわせて判断することで、
「四十肩なのか」
「別の病気なのか」
を見極めることができます。
治療の考え方
石灰性腱炎の治療は、症状の強さや時期によって異なります。
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痛みを和らげる薬物療法
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炎症を抑える石灰注射
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状態に応じたリハビリ
などを組み合わせて行います。
大切なのは、自己判断で我慢し続けないことです。
適切な時期に治療を行うことで、回復までの期間を短くできることがあります。
こんなときは整形外科へ
次のような場合は、早めに整形外科を受診しましょう。
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突然、強い肩の痛みが出た
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夜も眠れないほど痛い
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五十肩だと思っていたが、痛みが急に強くなった
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痛みで日常生活がつらい
「そのうち治るだろう」と我慢する必要はありません。
まとめ
石灰性腱炎は、
四十肩・五十肩とよく似た症状を示す、別の肩の病気です。
特に
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突然の激しい痛み
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夜間の強い痛み
がある場合は、早めに整形外科で正確な診断を受けることが大切です。
肩の痛みでお困りの際は、お気軽にご相談ください。
ゆうき整形外科クリニック 田中佑樹
“大府市、東海市、東浦町、知多市などから通えるクリニックです。 整形外科だけでなくリハビリ、内科、皮膚科と幅広く地域の皆さんの健康をサポートさせていただいています。”