腰部脊柱管狭窄症とは? 歩くと脚がしびれる、休むとまた歩けるのはなぜ?|大府市の整形外科・内科・皮膚科|ゆうき整形外科クリニック

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腰部脊柱管狭窄症とは? 歩くと脚がしびれる、休むとまた歩けるのはなぜ?



はじめに

「少し歩くと脚が痛くなって休みたくなる」

「立っていると脚がしびれるけれど、座ると楽になる」

「スーパーではカートを押していると歩きやすい」

このような症状がある場合、**腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)**の可能性があります。

腰部脊柱管狭窄症は、主に加齢による腰椎の変化によって神経の通り道が狭くなり、脚の痛みやしびれなどが起こる病気です。

腰痛よりも「脚の症状」が目立つことも多く、「年齢のせいで歩けなくなった」と思っている方の中に、この病気が隠れていることがあります。


腰部脊柱管狭窄症とは?

背骨の中には「脊柱管」と呼ばれる神経の通り道があります。

腰の部分では、この中を脚へ向かう神経が通っています。

加齢などに伴って、

  • 椎間板が膨らむ
  • 椎間関節が変形する
  • 靱帯が厚くなる
  • 腰椎がずれる

といった変化が起こると、脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることがあります。

これによって脚の痛みやしびれ、歩きにくさなどが生じるのが腰部脊柱管狭窄症です。


最大の特徴「間欠性跛行」

腰部脊柱管狭窄症の代表的な症状が、**間欠性跛行(かんけつせいはこう)**です。

典型的には、

歩き始める
↓
しばらくすると脚が痛い・しびれる
↓
休むと楽になる
↓
また歩ける

という状態を繰り返します。

「最初は500m歩けたのに、最近は100mくらいで休みたくなる」というように、徐々に歩ける距離が短くなる方もいます。


なぜ前かがみになると楽なの?

腰部脊柱管狭窄症では、

腰を反らすと症状が悪化し、前かがみになると楽になる

という特徴があります。

腰を前に曲げると、神経の通り道が少し広がるためです。

そのため、

「普通に歩くとつらいのに、自転車なら大丈夫」

「スーパーのカートを押して前かがみになると長く歩ける」

という方もいます。

これは診断を考えるうえで重要なヒントになります。


腰痛がなくても脊柱管狭窄症?

「腰はそんなに痛くないから、腰の病気ではないと思っていた」

という患者さんも珍しくありません。

腰部脊柱管狭窄症では必ずしも強い腰痛があるわけではなく、

  • お尻の痛み
  • 太ももの痛み
  • ふくらはぎのしびれ
  • 足裏の違和感
  • 脚の力が入りにくい

など、脚の症状が中心になることがあります。


坐骨神経痛との違いは?

前回ご紹介した「坐骨神経痛」は病名ではなく、腰などの問題によってお尻から脚に痛みやしびれが生じる症状の総称です。

腰部脊柱管狭窄症は、その坐骨神経痛を起こす代表的な原因のひとつです。

ほかにも腰椎椎間板ヘルニアなどが坐骨神経痛の原因になります。

つまり、

坐骨神経痛=症状

腰部脊柱管狭窄症=その症状を起こす病気のひとつ

と考えると分かりやすいでしょう。


整形外科ではどうやって診断する?

診察では、

  • どのくらい歩くと症状が出るか
  • 前かがみで楽になるか
  • どこが痛む・しびれるか
  • 筋力低下がないか
  • 感覚に異常がないか
  • 反射に異常がないか

などを確認します。

レントゲンでは腰椎の変形やすべりなどを確認します。

神経の圧迫状態を詳しく調べる必要がある場合には、MRI検査が有用です。

MRIが必要と判断した場合には、連携する医療機関などで検査を行い、その画像をもとに診断・治療方針を検討します。


MRIで狭いと言われたら治療が必要?

ここは非常に大切です。

MRIで脊柱管が狭く見えても、必ずしも強い症状が出るとは限りません。

年齢とともに腰椎にはさまざまな変化がみられるため、画像上の「狭さ」だけで治療方法を決めるわけではありません。

画像所見と実際の症状、診察所見を合わせて判断することが重要です。


治療は?すぐ手術になる?

腰部脊柱管狭窄症と診断されても、すぐに手術になるわけではありません。

症状や重症度に応じて、

  • 薬物療法
  • リハビリテーション
  • 運動療法
  • 日常生活の指導
  • 神経ブロックなどの注射治療

といった保存療法を行います。

「狭くなった部分をリハビリで物理的に広げる」ということではありませんが、身体機能を維持し、症状をコントロールしながら生活しやすくすることは重要です。


手術を検討するのはどんなとき?

保存療法を行っても症状が強く、日常生活への影響が大きい場合には手術を検討することがあります。

特に、

  • 歩ける距離が著しく短くなった
  • 脚の筋力低下が進んでいる
  • 日常生活が大きく制限されている

などの場合には、専門医療機関への紹介を検討します。


「歩けないから運動しない」は悪循環になることも

歩くと症状が出るため、

「できるだけ動かない方がいい」

と思ってしまう方もいます。

しかし活動量が極端に減ると、

  • 脚の筋力低下
  • 体力低下
  • バランス能力低下

につながり、さらに歩けなくなる悪循環に陥ることがあります。

症状に合わせて休憩を取りながら歩いたり、自転車など症状の出にくい運動を利用したりする方法もあります。

どの程度運動してよいかは症状によって異なるため、医師や理学療法士と相談しながら進めることが大切です。


血管の病気でも「歩くと脚が痛い」ことがあります

実は、歩くと脚が痛くなり、休むと改善する症状は腰部脊柱管狭窄症だけではありません。

脚の動脈の血流が悪くなる**末梢動脈疾患(PAD)**でも似た症状がみられます。

そのため「歩くと脚が痛い=脊柱管狭窄症」と決めつけることはできません。

足の冷たさ、皮膚の色の変化などがある場合には、血流の評価が必要になることもあります。


こんな症状は早めに受診してください

次のような場合には、早めの評価が必要です。

  • 歩ける距離が急に短くなった
  • 脚の力が入りにくくなった
  • 足首や足の指が動かしにくい
  • 両脚のしびれが急に強くなった
  • 股の周囲の感覚がおかしい
  • 尿が出にくい
  • 尿や便を漏らすようになった

特に排尿・排便障害や会陰部の感覚異常、急速に進行する筋力低下がある場合には、速やかな医療機関の受診が必要です。


「年齢だから歩けない」と決めつけないでください

腰部脊柱管狭窄症は中高年以降に多いため、

「歳を取ったから長く歩けなくなった」

と考えてしまう方もいます。

しかし、

歩くと脚がしびれる → 休むと改善する → また歩ける

という症状には、原因がある可能性があります。

適切に診断し、症状に合わせた治療やリハビリを行うことで、生活の質を維持できる場合があります。


まとめ

腰部脊柱管狭窄症は、腰の神経の通り道が狭くなることで、脚の痛みやしびれ、歩きにくさなどを引き起こす病気です。

特に特徴的なのが間欠性跛行です。

「歩くと脚が痛い・しびれる」

「少し休むとまた歩ける」

「前かがみや自転車では楽」

という症状がある場合には、一度整形外科で原因を確認することをおすすめします。

単に「年齢のせい」と考えず、現在の症状と身体の状態を確認したうえで、適切な治療を考えていきましょう。


ゆうき整形外科クリニック 田中佑樹
“大府市、東海市、東浦町、知多市などから通えるクリニックです。 整形外科だけでなくリハビリ、内科、皮膚科と幅広く地域の皆さんの健康をサポートさせていただいています。”