
はじめに
「足の親指がだんだん外側に曲がってきた」
「親指の付け根が靴に当たって痛い」
「外反母趾って、ハイヒールを履く人だけの病気?」
このような足の悩みで多いのが、**外反母趾(がいはんぼし)**です。
外反母趾は、足の親指が人差し指側へ曲がり、親指の付け根が内側へ突出してくる変形です。
特に女性に多くみられますが、単に「靴が悪い」だけで起こるわけではありません。
足の形や遺伝的な要素、加齢、靴など複数の要因が関係しています。
そして大切なのは、
「曲がっている=必ず治療が必要」ではない
ということです。
今回は、外反母趾の原因や症状、靴の選び方、治療について解説します。
外反母趾とは?
外反母趾では、足の親指が人差し指の方向へ曲がっていきます。
それに伴って親指の付け根の関節が内側へ突出し、いわゆる「出っ張り」が目立つようになります。
進行すると親指が人差し指の下や上に入り込むほど変形することもあります。
ただし、変形の程度と痛みの強さは必ずしも一致しません。
見た目には大きく曲がっていても痛みが少ない方もいれば、それほど変形していなくても強く痛む方もいます。
どうして外反母趾になるの?
原因はひとつではありません。
① 足の形
もともとの足の骨格や形が外反母趾の発症に関係します。
特に扁平足などがあると、歩行時に前足部へ負担がかかりやすくなることがあります。
② 遺伝的な要素
「母親も祖母も外反母趾」という方も少なくありません。
外反母趾そのものが単純に遺伝するというより、足の形や関節の柔らかさなど、発症しやすい特徴が家族内で似ることがあります。
③ 靴
先端が細い靴やハイヒールなどは、親指を外側へ圧迫し、前足部への負担を増やします。
長時間そのような靴を履くことは、症状を悪化させる要因のひとつになります。
「ハイヒールを履かなければ外反母趾にならない」は本当?
必ずしもそうではありません。
ハイヒールを履いたことがほとんどない方や、男性にも外反母趾は起こります。
靴は重要な要因のひとつですが、
「外反母趾=靴だけが原因」
と考えるのは正確ではありません。
足そのものの形や関節の特徴など、複数の要素が関係しています。
どんな症状が出る?
最も多いのは、親指の付け根の内側の痛みです。
突出した部分が靴に当たることで、
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赤くなる
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腫れる
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タコができる
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歩くと痛い
などの症状が起こります。
さらに変形が進むと、親指だけでなく人差し指や中指の付け根にも負担がかかり、足裏に痛みやタコができることがあります。
親指以外が痛くなることも
外反母趾では足全体の荷重バランスが変化します。
その結果、
「親指より、足裏の人差し指・中指の付け根が痛い」
という方もいます。
これを中足骨頭痛と呼ぶことがあります。
外反母趾では、見た目の変形だけでなく「どこに体重がかかっているか」も重要です。
整形外科では何を診る?
まず、
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どこが痛いか
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どの靴で痛むか
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変形の程度
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足裏のタコ
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扁平足の有無
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足指の変形
などを確認します。
必要に応じてレントゲン検査を行います。
外反母趾では、可能であれば体重をかけた状態でのレントゲンを用いて骨の配列や変形の程度を評価します。
「何度曲がっていたら外反母趾?」
レントゲンでは、親指の骨と第一中足骨が作る角度などを測定して、変形の程度を評価します。
一般的には外反母趾角(HV角)が20度以上になると外反母趾と判断する目安のひとつになります。
ただし、角度だけで治療方法を決めるわけではありません。
大切なのは、
「何度曲がっているか」だけでなく「どれくらい困っているか」
です。
治療① 靴を見直す
外反母趾治療の基本のひとつが靴です。
おすすめなのは、
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つま先に十分な幅がある
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足の甲が適度に固定される
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サイズが大きすぎない
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ヒールが高すぎない
靴です。
「幅広の靴なら大きめを買えばいい」と思われがちですが、サイズが大きすぎると靴の中で足が動き、かえって負担になることがあります。
幅だけでなく、足長も合った靴を選ぶことが重要です。
治療② インソール・装具
足の状態によっては、インソール(足底挿板)などを使用します。
目的は、単に親指を真っすぐに戻すことではありません。
足にかかる力を調整し、痛みを軽減することが主な目的です。
また、足趾間に装具を使用することもありますが、装具だけで骨の変形そのものを完全に元に戻すことは困難です。
治療③ 運動療法
足指の運動などを行うことがあります。
例えば、親指を動かす筋肉を使う運動や、足部全体の機能を改善する運動などです。
ただし、
運動だけで進行した骨の変形が完全に元通りになるわけではありません。
症状の軽減や足の機能維持を目的として行います。
外反母趾サポーターで治る?
市販の外反母趾サポーターを使用している方も多いでしょう。
装着中に親指の位置を補助したり、靴との摩擦を減らしたりすることで楽になる場合があります。
しかし、サポーターだけで骨格の変形を根本的に治すものではありません。
「つけていれば外反母趾が治る」と考えるのではなく、症状を軽減する方法のひとつとして考えましょう。
手術が必要なのはどんなとき?
外反母趾だからといって、必ず手術が必要なわけではありません。
一般的には、
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靴を工夫しても強く痛む
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長く歩くことが難しい
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日常生活への支障が大きい
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保存療法で十分な改善が得られない
などの場合に手術を検討します。
手術方法には複数あり、変形の程度や足の形などによって選択されます。
必要な場合には足の外科を専門とする医療機関へ紹介します。
見た目だけで手術する?
「親指が曲がっていて見た目が気になる」という相談もあります。
整形外科での治療では、基本的に痛みや歩行障害などの症状、生活への影響を重視します。
変形があるだけで、必ず手術しなければならないわけではありません。
逆に、変形がそれほど強くなくても痛みが強ければ治療が必要になることがあります。
こんな場合は整形外科へ
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親指の付け根が痛い
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靴を履くと出っ張った部分が痛む
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足裏にタコができて痛い
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以前より変形が進んできた
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長く歩けなくなってきた
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どんな靴を選べばいいか分からない
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市販のサポーターを使っても改善しない
このような場合には、一度足の状態を確認することをおすすめします。
まとめ
外反母趾は、親指が人差し指側へ曲がり、親指の付け根が突出してくる足の変形です。
原因は靴だけではなく、足の形・遺伝的な要素・加齢・靴など複数の要因が関係しています。
そして重要なのは、
「曲がっているから治療する」のではなく、「痛みや生活への支障に合わせて治療する」
ということです。
靴の見直し、インソール、運動療法などで症状の改善を目指せる場合もあります。
親指の変形や足の痛みが気になる方は、「まだ歩けるから」と我慢せず、整形外科へご相談ください。
ゆうき整形外科クリニック 田中佑樹
“大府市、東海市、東浦町、知多市などから通えるクリニックです。 整形外科だけでなくリハビリ、内科、皮膚科と幅広く地域の皆さんの健康をサポートさせていただいています。”